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八重桜の名所にマンションが
横浜、連休明けにも開発調査
 
 八重桜の名所として知られる横浜市港北区菊名の通称「カーボン山」(約一・二ヘクタール)が開発問題で揺れている。私有地として地域住民に開放され親しまれてきたが、昨年七月ごろにマンション建設計画が浮上。保全を求める住民の署名活動を受け、市は年明けから業者と保全に向けた交渉を開始した。市は買い取りに代わる新たな手段として「市有地との交換」の条件を持ちかけたが、「価格評価をめぐって折り合いがつかない」(同市緑政局)ため、交渉は平行線のまま。開発を急ぎたい業者は「連休明けにボーリング調査をしたい」と周辺住民に理解を求めている。


神奈川新聞5月5日
八重桜の名所にマンションが

八重桜の名所として知られる通称「カーボン山」。開発か保全か正念場に立たされている=4月中旬、横浜市港北区菊名
◆横浜、連休明けにも開発調査
 八重桜の名所として知られる横浜市港北区菊名の通称「カーボン山」(約一・二ヘクタール)が開発問題で揺れている。私有地として地域住民に開放され親しまれてきたが、昨年七月ごろにマンション建設計画が浮上。保全を求める住民の署名活動を受け、市は年明けから業者と保全に向けた交渉を開始した。市は買い取りに代わる新たな手段として「市有地との交換」の条件を持ちかけたが、「価格評価をめぐって折り合いがつかない」(同市緑政局)ため、交渉は平行線のまま。開発を急ぎたい業者は「連休明けにボーリング調査をしたい」と周辺住民に理解を求めている。
 周辺住民らでつくる「桜の森を守る会」(清水康二代表)などによると、カーボン山は八重桜約二百本のほかコナラやクヌギなどが茂る豊かな自然に恵まれ、野鳥や昆虫も数多く生息。古くから地域住民に開放され、児童の学習や住民の交流の場などとして使われ親しまれきた。

◆「億単位」の差額
 昨年六月、所有者が東京都内の開発業者に土地を売却、民間マンション建設計画が具体性を帯び始めたという。
 同会では昨年八月末、横浜市に土地の買い上げなど保全を求める要望書を一万一千人以上の署名を添えて提出した。これを受け、市は策定を控えた市総合計画「ゆめはま2010プラン」の新規事業で同所を「花の名所」と位置付け、保存していく方針を表明。一月末から業者との交渉に入った。
 さらに、市は二月に不動産関係など専門家でつくる財政評価審議会に土地の客観的な評価を諮り、その価格を基に市有地の中で適切な土地を代替地として提案。一定の基準に基づいた補償額も提示して、約十回の協議を繰り返してきた。
 しかし評価額は、業者側がこれまで投じてきた経費などが含まれないこともあり、双方の希望額に「億単位」(関係者)の差が生じている。

◆「引き続き交渉」
 業者側は「マンションの具体的な図面は未定だが、周辺住民への理解は引き続き求めていく。市とも交渉は継続中」と説明する。一方で、近隣住民には「連休明けにボーリング調査を始める」と明言しており、建設に向け徐々に手続きを進めたい意向を示している。
 対する市側は「今以上の案の提示は難しいが、引き続き交渉に臨みたい」との姿勢を崩していない。
 清水代表は「都会に残された貴重な緑地を何としても守りたい。今後も双方の交渉が合意を得られるよう働き掛けたい」と話している。


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