『桜の森を守る会』の成り立ち

 港北区菊名3丁目にある1.2ヘクタールの桜の森は通称カーボン山と呼ばれていて、200本の八重桜がピンクの花を咲かせる4月中旬から下旬にはそれは見事な景観です。コナラ、クヌギ、エゴノキ、ハンノキ、エノキ、ミズキなどの落葉広葉樹の高木が繁っていて、新緑の5月には爽やかな風が吹きぬけて、夏は蝉しぐれが一層静けさを際立たせ、秋から初冬にかけては紅葉し、やがては落葉していく様子は、四季折々に風情があり、なだらかな丘陵からは丹沢や大山の山々や真冬の天気の良い日には、積雪の富士山も見ることが出来る都会に残された貴重な緑地です。夏は蝉、蝶、カブトムシなどの昆虫の、冬はオナガ、ツグミ、シジュウカラなどの野鳥の楽園でもあります。適度に整備されていて開放されているので、散歩に来る人、ピクニックにやって来るグループ、テントを張ったりする訓練をするボーイスカウトもやって来るし、特に近隣の保育園や幼稚園、小学校の子供達にとっては、樹木や落ち葉に触れたり、どんぐりを拾ったり、昆虫採集したりする自然学習の最適な場所でもあるのです。
 そんな地域の住民に親しまれている緑地が突然、マンション開発業者の(株)大京に売却され大規模なマンションが建設されることになってしまいました。2001年の7月に知らされたのですが、計画によれば9月末にも引き渡され、来年の5月には建設工事が始まるということです。地主の第一カーボンがこの経済状況で持ちきれなくなってしまった訳です。その事情は理解出来ない訳ではありませんが、あまりに唐突なことに住民は戸惑いました。2001年8月5日に菊名コミュニティーハウスで住民集会が開かれ、どう対応して行くか様々な意見がありましたが、先ず、困難なことを承知しながらも横浜市と神奈川県に対して公園として買い上げを要望して行くことが、今は最善ではないだろうかということになり、そのための住民の賛同署名を募ることに決定しました。そして会の名前を「桜の森を守る会」として活動を開始したのです。この運動はマンション建設反対運動でもありますが、単に反対というだけでなく都市の人間にとって貴重になってしまった緑の保全のために、地域の住民は無論ですが行政や議員やメディアを巻き込んで大きな動きとなって行きました。

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